昨日の映画:Crash

クラッシュ(原題:crash).人種のるつぼLos Angelsをテーマにした映画.もちろんフィクションだし映画だから誇張もあるが,登場人物に共通する心理状態は今の米国を非常にリアルに反映したものだ.他人種に対する無根拠な嫌悪や不信,その中でも黒人とアラブ人に対する偏見だ.そして偏見や不信が招く不幸な事故や犯罪.とても悲しい映画だった.この映画は2004年の作品らしいが,なぜ日本公開まで1年以上かかったのだろうか?追記:オスカーのノミネートに合わせて日本公開したってことかな?)

最近の日本には三国人がほにゃららとか言って反省もしないバカ政治家や,韓国人や中国人を差別したがるエセ知識人など,根本的な知能レベルの低い連中が増えてきている.そういう連中は,この映画を見て「黒人は危険だ」とか思うのだろうか?今すぐ鎖国するべきだとか思うのだろうか?

この映画を見て「所詮は作り話」と思うのは簡単だ.しかし,現実の米国の状況はこうだ.例えば強盗殺人現場の近くで,銃を所持した白人と丸腰で犯罪歴も無い黒人がいた場合.その白人に犯罪歴まであっても黒人だけが容疑者として逮捕されるケースは非常に多い.逮捕されてしまうと,陪審員制度(=素人集団の判断)によって何の証拠も無く有罪とされる黒人も多い.つまり,たまたま犯罪現場の近くにいあわせただけの黒人が有罪判決を受けるわけだ.あるいは,真面目に働いている大卒の黒人と麻薬の逮捕歴のある白人が中途採用職を探す場合,職が見つかる率は白人の方が上だ.これが米国の現実だ.

なんとかして"Angel City"の名に相応しい都市に戻って欲しいものだ.

映画の本題とは関係無いのだが,Los Angelesの夜景はやはり美しい.NYの夜景も好きだが,俺はLAの方がもっと好きだ.