ジェネリック医薬品

またWorld Business Satelliteネタ.医薬品の特集で「ジェネリック医薬品」を取り上げていた.最近になって,急にジェネリックを推しているTV CMなんかが出てきたので「何かあったのかな?」と思っていたら,制度が変わって処方箋に「ジェネリックでもいいよ」的な項目ができたらしい.つまり医師が「基本は***の薬だけど,患者が希望するならジェネリックでもいい」という処方箋を出せるようになったということだ.(以前は医師が処方した薬そのものを出す制度だったので,同じ成分の薬品が各社から出ていても,その中のどの製品を使うかは医者次第だった.だからこそ,医薬品メーカは大病院の医者などに接待攻勢をかけていたわけですな)

ということで,消費者は安くて良い薬を使えるようになって良かったね…って,ホントにそれでいいのか?いや,適正価格が何かっていうこと自体が難しい問題なわけだが,それでも,莫大な研究開発費をかけて作られた薬が,特許が切れたからって単純に成分配合をパクった*だけ*の安物に置き換えられて,それで道理が通っているのだろうか?

薬品の世界もグローバリズムが進んでしまい,もはや「世界中でも限られた数社のみが人員,予算,時間を莫大に投入して研究開発,残りの烏合の衆はひたすらコスト追及のジェネリック薬」という図式になってしまっているわけで,ジェネリックでしか生きていけない会社が多いのは事実だ.それに,そりゃ消費者は安けりゃ喜ぶんだろう.しかし「高い薬の代金の一部は研究費に回って,将来の薬品の開発に役立つ.一方,ジェネリック薬の代金は将来に対して何も投資されない」という事実は重視すべきだと思うんだがなぁ...例えば「ジェネリックしか買わない人はインフルエンザのワクチンは買えません」とかいうルールにしたらどうなんだろう?(←さすがに問題大有りだ)

なんか,こういう歪んだ経済構造って,もうちょっと何とかならんもんかねぇ....