今日の映画:Good Night, and Good Luck

今日から公開拡大のGood Night, and Good Luck.まぁ世間で前評判がイロイロ書かれてるが,まさに書かれてる通りの内容だ.…って当たり前か.(^^;; シリアナに続くGeorge Clooneyのリベラル派な映画.

映画の舞台は50年前の冷戦真っ只中の米国だった.それから50年たった今,世の中はどうなったか?いわゆる冷戦は終わったが,仮想敵国というやり方は全く変わっていない.しかも現実的にもイラン,中国,北朝鮮,ロシアなど世界は当時と同様の危機に直面している.合衆国政府は「国家安全のため」を口実に法律や人権を無視した行為を行い,「アカ狩り」ならぬ「アラブ狩り」「イスラム狩り」が行われている.しかもドサクサ紛れに黒人やヒスパニック系への差別も強まっている.密かに進んでいた右傾が911テロを機会に一気に加速し,新聞からTVに至るまで大半のメディアが右派になってしまった.50年前の正確な状況は知る由も無いが,映画を見る限りでは,当時はマローに対して賛同するメディアは多く存在していたようだ.今よりマシだったのではないか?

翻って日本の状況を見ると…映画の最後の演説でマローが言及する「TVというメディアが娯楽のようなくだらないものにしか使われないのであれば,TVとは単に機械が詰まった箱でしかない」という方向にモロに進んでしまったように見える…まぁ,それでも米国よりマシかもしれないが.狡賢いヤツに牛耳られる国と,アホばっかの国…究極の選択だな…

映画の内容とは関係無いが,白黒映画なのに日本語字幕(当然,白い文字)が画面の白いところに出るシーンが何度もあった.日本公開まで半年以上もかかったのに,配給会社は今まで何をやっていたのかと,けっこう本気で腹が立った.