出る杭は打たれる

ここ数日,ホリエモンに関して有罪確定という論調で「執行猶予が付くかどうか」みたいな報道がされている.そのワリにはホリエモンの主張が部分的にでも論破されたという報道は1度たりとも見た記憶が無いし,逆に検察の主張については「堀江は悪者だ」「金儲けをして,豪遊していた」という漠然とした主張以外に何も見た記憶が無い.もちろん報道されてない部分で何か主張しているんだろうが…あんな無茶苦茶な理屈で有罪になるのかなぁ.でも,なっちゃうんだろうなぁ.だって日本の司法制度ってそういうもんだよね.あー,やだやだ.

もちろん,俺だってホリエモンに倫理的な罪が無いとは思わない.しかし,だからといって法律的にどの時点のどういう行為が違法だったのかをアヤフヤなままで有罪にするっていうのは法治国家として大問題だろう.よく言われている「法の目をくぐって」「法の不備をついて」というのも,法の不備を突かれたのであれば,それが違法行為じゃないのはしょうがない話だ.むしろ,それは穴のある法律を立法した議員連中(≒多くの場合は自民党)の責任を責めるべきじゃないのか?法とは無関係に,何か法律を超越した意図に基づいて有罪になるというのでは,中国やロシアと全く同じだよなぁ.

一方,日興コーディアルについては,ツートップ退陣が決まったので,問題は旧中央青山監査法人に移りつつあるそうな.まさか,これで日興コーディアルのトップはお咎め無しなワケ?うーむ,まさにひろゆきの言う「出る杭は打たれる」の状況になりつつあるような気が…もちろん単純に金額の大小だけでは比較できないが,これには違和感を感じるのが普通の感覚だろう.

大体,今回の日興コーディアルの発表だって,世間では「組織的関与の責任を認めて辞任」とか幕引きっぽく報道されているが,記者会見の発言は「隅々まで内部管理体制が行き届かなかったことが原因」「組織的な関与と見なされても仕方がない」,すなわち「担当者がやったことなのだが,世間は我々に対して疑惑の目で見ているし,そう誤解されてもおかしくない状況だ.担当者の監督責任なども踏まえて,とりあえず辞任する」と言っているだけで,「我々の指示だった」「我々の主導による責任だった」「ホントは組織的にやっていました」みたいなレベルでは全く責任を認めていない.つまりホリエモンと全く同じで,自分の責任なんて一切認めていないんだけどなぁ.