Ocean's Thirteen

ということで楽しみにしていた "Ocean's Thirteen" .宣伝では「シリーズ最高傑作」とかいう非常にありきたりな売り文句になっているが,実際,最高傑作だと思う. "Ocean's Eleven" を10点とすると,オレ的には "Twelve" が 8 点くらいで,本作は 13点くらいという感じ.

"Twelve" の感想は,とにかくキャストは豪華で映像はカッコ良くて会話もシャレてて,でもそれだけの映画だった.どんでん返しっぽいネタをあまりに連発しすぎて,見ている側が「ええと,裏の裏の裏は…やっぱり裏なのか?」みたいに混乱してしまう内容だったのと,そもそも12人もいる必然性が全然感じられない(それ言ったら,1作目も「5人くらいでも良かったんじゃね?」という話はあるが)のが原因だと思うが,それでも,まぁ細かいことを気にしなければワリと楽しめたし,興行成績はかなり良かったはずだ.しかし,評論家からは「単にセレブ仲間が内輪で集まって楽しくバカ騒ぎしているスタイリッシュな映像だけ」みたいにボロカスに言われていた.本作では,Ocean達が仕込む罠についても,ちゃんと前もって仕込みを見せてるので,前作みたいなインチキ臭さは感じられなかった.チームの目的もハッキリしているし,締まった内容でシナリオも良くできていた.

で,MTVのインタビューでGeorge Clooneyが冗談めかして言っていたのが,「1作目は良かった.ところが2作目は評論家受けも悪かったし,実際,あれは失敗だった.だから,挽回のために3作目を作った.最後にキメてやろうと思ったんだ.だからシリーズもこれで最後だね」という説明.これは,かなりマジっぽい気がする.舞台をラスベガスに戻し,今回はちゃんと(正確には何人いたのかよくわからんかったが)各人の能力に見合った仕事もあり,原点に返ったような内容だし,ここで終わるのが一番美しいだろうなぁ.劇中のセリフも,フィナーレを感じさせる雰囲気があちこちに流れていた.

欠点というか問題点として,Oprah Winfreyがネタとしで出てくる辺りが米国外の人間からすると「…」という感じだ. Oprah という人物の存在+番組の内容はたまたま知識として知ってるけど,実際に番組見たことないからなぁ.明らかに笑うところなのに,映画館の中に一瞬「…???」という雰囲気が蔓延したような気がしなくもないような.