勇者たちの戦場

"勇者たちの戦場(原題: Home of the Brave)".過去に数え切れないほど沢山の映画で描かれているように,ベトナム戦争終結後にベトナム帰還兵が差別を受けたり精神的にアレになったりという問題が全米で起きていたわけだが,イラクからの帰還兵でも全く同じ状況になっているというお話.いや,むしろ前線の状況を一般市民が全く認知していない(徴兵制も無いし,メディアもブッシュ政権にコントロールされているため)とい点ではベトナム戦争よりも悪化しているか.

複数のキャラクターによる群像劇で描かれているが,家族や元の知人よりも初見の帰還兵同士の方が打ち解けあう描写など,「なるほど」と思わされる.実際,(愛国心からなど,様々な理由があるのだろうが)帰還兵の中には,負傷して四肢が欠けている状態でも「前線に戻りたい」と希望する者がかなりいるらしいし,兵力不足の米軍は,そういう者も復帰させる方針を検討しているらしいが,こういう不健康な状態がいつまで続くのだろうか?

今更ながら思うことだが,4年前にブッシュを圧勝で再選させた米国民ってアレだよなぁ…今頃になって「史上最悪の大統領」とか言い出してもねぇ.