Vantage Point

ええと,何かいろいろ思うところはあったはずなのだが,信じられない一件によってどうでもよくなった.

追記:気を取り直して書くか...

ぶっちゃけた話,単なるアイデア倒れの映画.「同一のシーンを別人物の視点で繰り返して提示する」というのは映画やドラマでよくある演出だが,誰かが「もっと多くしてみよう」と思いついたのだろう,きっと.ここまで過度に繰り替えされると単にタルいだけだ.

そもそも(視点が違うとはいえ)同じシーンを6回も見せられるのだから,本来ならば「人物Aが見ていたXXXは,人物Bの視点から見ると実は***だったのだ」とか「人物Aの視野には入っていなかったが,実は***だったのだ」みたいに,視点切り替えが大統領狙撃の謎解きに絡んでくるべきだろう.残念ながら,本作では視点が変わることによる新たな発見などは特に無い…と言い切ると語弊があるが,「視点が変わって何か新しいものが見える」というよりは,単に「視点を切り替えた先の人物の直前・直後の行動が見える」というのが大半で,実際の謎解きに大きく寄与するのは最初の2視点くらいだ.その他の視点は無くてもあまり関係ない.

もうちょっと作り方を工夫して,例えばドラマ "24" ばりに短いカットで切り替えまくるとかすれば,けっこう違う雰囲気になったと思うんだがなぁ.というあたりも含めてアイデア倒れ映画.