Tigertailz

Tigertailzっつー80'sの英国グラム系バンドがいた(当時は[英国版Poison」などと言われていた)が、実は最近になって復活してる。前に書いた時に消えてしまったので、Tigertailzについて再度書いておくことにする。

  1. ボーカルの奴を中心に結成。
  2. メンバーチェンジを経てデビュー。
  3. 1stアルバム "Young and Crazy" 発売。濃いメイクとポップな楽曲のお陰で「英国版Poison」という評判が話題にはなるが、たいして売れなかった。当時、横浜ポルタの新星堂で、輸入版のレコード(注:レコードとCDが混在してた時代だった)を見て、素で「げっ」と思った。Poisonファンの俺から見てもキツい。
  4. ボーカルがアルコール問題でクビになる。
  5. 別バンドのベーシスト(!)をボーカルに招聘。
  6. ボーカルを入れ替え、アレンジし直した曲をシングル発売。あまり話題にならず。これは横浜のダイアモンド地下街のレコード屋でCDシングルを見た記憶がある。買わなかったことを今は後悔している。
  7. 2ndアルバム "Bezerk" 発売。先行シングル "Love Bomb Baby" のヒットもあり、英国ではメジャーになる。日本でも、わりと売れてたはず。
  8. シングルのカップリングに Metaillca のカヴァー曲 "Creeping Death" と Megadeth のカヴァー曲 "Peace Sellz" が入り、その無謀な企画にメタル界ではかなり話題となる。評判はそれほど悪くなかった気がする。
  9. 日本独自企画として、アルバム未収録曲を集めた "Banzai" 発売。、音源以外はジャケットのアートワーク(いつもベーシストが描いている)等も全て新たに作るという気合の入ったものだった。個人的には、この辺りがピークだったと思う。未収録曲だけで、あのクオリティを出せたのは凄い。
  10. この頃、英国でレコード会社から「Sigue Sigue Sputnikのようなイメージでいけ」と言われていたらしい。俺はSSSも好きだが、その戦略は明らかに間違っている。例えて言うならば、オレンジレンジに「サンボマスターのイメージで」というようなものだ。
  11. 英国では3rdアルバム "Wazbones" を発売してたらしい。レコーディング中からギターとドラムが相次いで脱退。SSSからインスパイアされて「時計じかけのオレンジ」イメージでプロモーションするも、当然、売れなかった。
  12. 英国以外の国ではバンド名を変更して "Wazbones" を名乗ることに。が、アルバムは発売されず。後日、日本では未発表曲を追加して Wazbones 名義で発売された。
  13. バンド自然消滅...

うーん、売れずに消えていく典型的パターンな気がする。英国ではけっこう売れてたはずなのになぁ。ちなみに、この頃の音源のいくつかはオフィシャルサイトでダウンロード可能になってる。

この後の経緯がややこしいことになっている。

  1. 1stアルバムのボーカルは、クビになった後も地道にソロ活動をしていた。脱退したドラムは彼と一緒に活動している。
  2. ベーシスト、ギタリストは音楽業界から引退。
  3. 2ndアルバム以降のボーカルは、どこかで音楽活動をしていたようだが、詳細は不明。
  4. 1stのボーカルが、急に Tigertailz 再結成を思い立つ。元メンバーに声をかけるも、ドラマー以外には「いや、俺はもうやる気ないし...」みたいなレベルの断られ方をする。(どうも、バンド時から仲が悪かったらしい)
  5. しょうがないので、新メンバーを集めて、かなり無理のある再結成。ちなみにボーカルは40歳くらいなのに、ギターとベースは20歳くらい。
  6. 同時期、他の元メンバーが裏で連絡を取り合って、2ndアルバム期=黄金期のメンバー(除ドラマー)で再結成することになる。
  7. オリジナルのボーカルとドラム、それを知って当然怒る。

という感じで、今、Tigertailzというバンドは2つある状態だ。もちろん、ファンは明らかに黄金期メンバーの方を応援している。先日は Bezerk と Bansai のリマスター版が再販になった。現在はニューアルバム "Bezerk 2.0" の製作中。オリジナルボーカルの方のTigertailzには興味無し。

Bezerk 2.0のジャケットに使われる予定の写真も、相変わらずの素晴らしいセンスだ。早く発売して欲しい。