駐車監視員

駐車違反の取り締まりができる「駐車監視員」の資格試験に合格した人は、今月4日現在、全国で1万220人にのぼることが8日、警察庁のまとめで分かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050908-00000303-yom-soci

だそうだ。以前にテレビで警察関係者が「こんなに違法駐車が多い国は日本だけだ。恥ずかしい」とかバカなことを言ってるのを見たこともあるが、この「駐車監視員」なる制度、警察はどういうつもりなのだろうか?


上記の「バカなことを言ってる」の意味がわからない人は、海外に行って道端を見てみよう。決して「路上駐車が少ない」ということは無いはずだ。俺の知ってる米国との比較で言えば、むしろ日本の方が少ない印象だ。これはどういうことか?つまり、通常の国は「本当に一瞬でも車を停められたらマズい場所」は駐車禁止にするが、それ以外は駐車可能なのだ。例えば米国では都市部になると「1時間以内はおっけー」とか「15分以内はおっけー」とか縛りはあるが、基本的に駐車可能だ。その代わり、30秒でもオーバーしたらキップを切られる。逆に、駐車禁止の場所などは、車が停まっていた時点で即刻キップを切られる。非常に明確だ。法律をただしく運用している。


それに比べて日本の制度は、まず警察がありとあらゆる道を駐車禁止に指定しておく。そして、警察の気が向いたときに小金稼ぎのために駐禁を切りに行く。ただし、米国のように一発で厳密に(例えば、車を停めて自販機でタバコ買ってるだけでアウトというレベルで)摘発すると市民の不満が高まって、実勢に即した細やかな(警察から見れば面倒くさい)チェックをする必要に迫られることが明白だ。そこで、まずチョークで線を引いてまわり、しばらくして気が向いたら確認に行って、残っていた車はキップを切る。これによって、「駐禁切られる」=「運が悪かった」という妙な誤解をさせて、警察は金を稼いでいるのだ。「駐禁制度=警察の金稼ぎ手段」という事実を信じないヤツもたまにいるが、「警察自身が真面目に駐車禁止区域を把握するつもりが無い」という事実が全てを物語っているだろう。私道などの理由で駐車禁止ではない道も世間には存在するが、たまに先走って駐禁を切ってしまう警官がいる。また、駐車禁止の指定漏れで駐車禁止になっていない道がたまにあるが、警察はそういう道でも平気でステッカーを貼っていく。


結局、駐車禁止区域を指定するのと、集めた罰金を使えるのがどちらも警察自身というところに諸悪の根源がある。そりゃ可能な限り全区域を駐車禁止指定にするわな。だって全区域をチェックする義務なんて無いんだもん。では、なぜ「駐車監視員」なる制度ができたのか?「駐禁摘発件数が減少している」というのを理由に挙げているが、要は収入が減少していることが理由だろう。では、なぜ収入が減少しているのか?警察は「違反件数は減っていないが、人手が足りない」とかアホなことを言ってるようだが、おそらく大嘘だ。バブル崩壊後、地価変動や技術的進歩によって、都市部などの狭い場所にもコインパーキングや公営駐車場が大量にできた。手ごろな料金で使える駐車場が増えた結果、路上駐車をするヤツが減っただけだと思う。今後は「大きな道路だけテキトーに切る」法式では収入増が望めるはずもないが、自分で細い入り組んだ路地まで取り締まるのが面倒だから外注する、という話だろう。


そもそも、警察自身が駐車禁止違反を年中犯している。パトカー(覆面パトも含めて)なんて、年がら年中道端に停めてるし、無人のまま駐車している場合も多々ある。交番の目の前に停めてることなんて日常茶飯事だ。スピード違反にしてもそうだ。制限速度を守ってるパトカーなんて見たことない。俺が制限速度をキッチリ守って走ってみると、だいたい「なにトロトロ走ってるんだ?」みたいに追い越していく。さらに言えば、深夜にモロに信号無視してたり、一方通行を逆走してるパトカーや白バイなんて何度も見てる。つまり、警察自身が法律を守るつもりが無いのだ。


事故とか起こすと、警察は「ここじゃ邪魔だから、あそこに置いてくれ」とか駐車禁止エリアを指示する。もちろん「違法だから、普段はダメなんだよ」とか言うが、そもそもおかしいのは「違法だからダメ」の「違法」の根拠である駐禁指定エリアの決定根拠が何も無いことなのだが、その警官は何の権限があって「違法な場所に駐車しても構わない」という許可を出しているのだろう??そう、実は警察も知っているのだ。その場所は「駐車禁止指定区域」ではあるが、実際は駐車しても邪魔でも何でもない場所なのだ。世の中では、駐車禁止エリアに「駐車する車が多いから」という理由で三角コーンを立てたり、ポールを立てたり、ガードレールを出っ張らせたり、そういう邪魔をしている場合がある。が、これらの行為は本来の目的を忘れ、「車を駐車させない」ということが目的になってしまっているわけだ。なぜ誰も異を唱えないのだろう?車を停めさせないために障害物を置いていたら、結局、そこの車線はつぶれるわけで、それで問題無いなら、駐車しても問題無いはずなのに。


翻って、犯罪者の摘発という意味では、犯罪検挙率がどんどん低下してる。ところが警察は「昔だと犯罪と見做されなかったような、ストーカーとか、そういうものが増えてるから数字上は低下して見えるが、実態は変わらない」とかヌカしてやがる。空き巣に入られたりすると、警察は検分はするものの、「いやー、この近所で最近多いんですよねー。多分捕まえられないと思いますけどねぇ。こういうのを避けるには、セコムとかSOKとか入った方がいいですよ」とかナメたことをヌカしやがる。税金返しやがれ。結局、警察はマスコミに取り上げられるような大事件は別として、日常の犯罪は取り締まる気がないのだ。なぜならば金にならないからだ。


結論:日本の警察って、ありとあらゆる意味でクソだよね。