Tomorrow World

先週末から公開のTomorrow World.(原題 Children of Men ) 井筒監督がよくやる批判じゃないけど,「結局,お前は何が言いたいんだ?」という気分.

もちろん「現在の米国や英国,EUにおける移民問題を近未来に置き換えて…」「先進国に共通の少子化,高齢化問題の究極の形で,子供がいない世界を描いて…」みたいな意図は理解しているつもりだ.しかし,そのわりに移民問題はほとんどマトモに扱われないというか,ストーリー上の都合で何でもいいから反政府組織が必要になっただけにしか見えない.さらに,一番の売りにしている「子供が生まれなくなった未来」っていうSF的設定に関する「なんで生まれなくなったの?」という疑問や,「(当然)映画の中で何か解決するとか,何かの話があるんだよね?」という期待についても完全放置.
で,ここまで俺の文章を読むと「移民問題も扱わない」「子供の問題も放置」ってことになるわけだが,じゃぁ何を描いた映画なのかっていうと,ホントに何も描いていない.ここで2,3行で書けちゃうような話.最後に何か謎を解く鍵orどんでん返しが出てきそうなネタフリだけしていたが,実際は,何事もなく終わる.エヴァンゲリオンかよ!

…マジで時間の無駄だった.

なお,俺は全然知らなかったのだが,原作の小説があるらしく,Wikipediaに出ているあらすじをちょっと見た感じでは,映画とは随分違う雰囲気だ.小説と映画じゃ話の長さが全然違うからしょうがないが,きっと映画が設定だけパクッてトホホなシナリオ書いちゃったんだろうなぁ.