The Prestige

しきりに「最後のトリックに騙される」みたいな宣伝をしている"The Prestige".ライバル同士の2人の若手マジシャンが,お互いに相手の最強のマジックのトリックを解明しようとして…みたいな話なのだが,その2つのマジックが生まれるまでの2人の確執を中心に,トリックの謎解きを絡めて話が進んでいく.

とは言っても,ちゃんと明快な伏線を張ってくれているので,最後のトリックについては中盤でバレバレ.むしろ「伏線から考えれば,〜だと思うんだが,もしかしてそう思わせて…というパターンか?」とまで深読みしてたら,とても素直な話だったので拍子ぬけ.しかも,その肝心のトリックが,映画の中での空想の話だから可能なネタで,現実にはできない(トリックを実現するのに必要な装置が,現実には存在しない装置)っていうのがガッカリさせられた.Scarlett Johanssonも,かなりどうでも良い役…ってのは言いすぎだが,あの程度の役なら,他の女優でも良かったんじゃないのかねぇ.

で,そのトリックの謎解きに話がたどり着く中盤以降が意外とグロいというかキモい話だった.「マジックの世界での華やかなトリック対決」みたいなのを期待して見たらガッカリすること請け合い.マジックを題材にした,単なるサスペンス映画だね.