ホット・ファズ

某映画評論家に乗せられた連中が,わざわざ署名運動までして,なんとか日本でも上映されることになった Hot Fuzz . 結論を先に書くと,普通の人にとっては,そんな努力までして見る価値がある映画ではない.

舞台設定的にはコメディにしか見えないし,実際に「へへっ」と軽く笑えるような解りやすい小ネタもいろいろある.でも,大爆笑が連発するような映画ではないというか,そもそも普通に見たら爆笑できるシーンなんてほとんど無い.つまり全体としてはコメディに分類されるような内容という感じではない.かといってアクション映画というわけでもないし,シリアスな刑事モノ映画ということは断じてあり得ない.つまり,全方位的にすげー中途半端になっている.

なぜ,そんな妙な映画なのかというと,実は(刑事モノを中心に)過去の数多くの映画へのオマージュがあちこちに散りばめられているのだが,一般的なパロディ物みたいに解りやすいネタではない.扱ってる映画が古すぎたり,ネタがマニアックすぎたりするので,一般人には何が笑いどころなのか全く謎なはず.映画ヲタは製作側の自己満足に乗っかって楽しめるのだろうが,ハッキリ言って DVD スルーが妥当なレベルにしか見えなかった.