Into the Wild

ショーン・ペン監督の "Into the Wild" .

優秀な成績で大学を卒業したばかりの主人公が(思うところがあって)社会から離脱するために社会保障番号や銀行口座,自分の名前など全てを捨てて放浪の旅をし,その最終目的地であるアラスカに行って…という実話ベースの映画.

モノに溢れた生活を否定して車や金などを全てアッサリと捨てておきながらも,結局は移動手段として(ヒッチハイクで)車を利用したり,アラスカに入る前に装備を買い揃えるためや,アラスカに入る時期(春)までの生活のためにバイト生活をしていたり,根本的に行動が矛盾だらけというか,「で,お前は最終的に何がやりたいんだよ?!」という感じでイラッとする場面が多々あった.

で,普通に考えると「冬山に登山して遭難する迷惑な若者」とか「台風の日にサーフィンして流される迷惑な若者」みたいな,軽い気持ちで冒険しちゃった若者の行動にしか見えない.…のだが,やってる規模がけっこう凄い.2年間に渡って濃い内容の放浪の旅をしている.(と言っても,けっこう色んな人の世話になっちゃってるんだけどね.)米国って日本でいう「北海道の山奥」みたいなレベルの田舎があちこちにあるからなぁ.

映画としては,けっこうへビィな内容.ここまで重い映画だとは思ってなかったので,最後の方はけっこうブルーになった.「落下の王国」との合わせ技で,暗い気分になった今週末であった.