リダクテッド

リダクテッド (原題: "Redacted").

なんか広告では「マイケル・ムーアも黙るタブー」とか,あたかも「米国がイラクで隠している秘密を暴く」みたいな売り文句になっているが,そもそも(ドキュメンタリー風に作った)完全なフィクション映画.一応,実際の事件を基にしているが,「〜な事件がありました」の前後のストーリーや人間関係をフィクションで作り上げ,その登場人物の1名がカメラで撮影したという設定で作ることでドキュメンタリー風に仕上げた映画.ええと,そういう演出ってどこかで見た手法な気が…(ま,流行ってるからしょうがないけど)

配給会社の宣伝文句はさておき,映画だけの感想で言えば,「今まで映像メディアで描かれたことのない,イラクにおける米国兵の微妙な立場と,現場でジワジワと生まれている狂気を浮き彫りにする」みたいな目標はわからなくもない.しかし,何だかんだいって実質的には完全フィクションと言うのが妥当だし,そのフィクション部分の話ってのが誰でも想像できるような内容なので,インパクトはゼロ.目標にはほど遠い着地点だ.

これを3年以上前(できればブッシュ政権1期目)にやってたら「おぉ!」と思ったかもしれないが,この時期に上映されてもイマサラとしか言いようが無いような…