in the Shadow of the Moon

NASAの記録映像とインタビューで構成されたドキュメンタリー映画 "ザ・ムーン".

アポロ計画全体を扱った作品なので,たとえば(あの映画でも有名な)アポロ13号の話なども出てきたりするが,基本的には昔を振り返るというだけで,これといった山場は無い.にも関わらず,そこには言葉では説明できない感動がある.たとえば人類が初めて月に降り立った瞬間というのは,TVなんかで何度も見ている.しかし,本作で初めて,着陸の前後には何があり,関係者がどんな心理だったのかを知り,改めて当時の感動が伝わってきた.

'70〜'80sって,科学技術の進歩に夢があった時代だなぁと大いに感じさせられると同時に,なんで現代はこんなに夢の無い世界になったのかと改めて不思議に感じるが…まぁ結局のところはサイエンスも政治も「なんだかんだ言っても金を稼いだ者が正義」みたいな方向に行ってしまったのと,あまりにも科学技術が進歩したせいで,何ができても「あぁ,予算があればできるかもね」みたいに皆が驚かなくなっちゃったのが原因なんだろう.

これを見ると科学技術にはもっと夢が必要なんじゃないかという気がする.特に技術者や研究者にはお勧め.