Watchmen

「ウォッチメン」

米国でも，出足こそ好調だったものの２週目から急降下して，既に「（興行的に）失敗」と言われている本作．そもそも日本では「ヒーローが沢山でてくるアメコミ」とか大嘘な宣伝（本当はアメコミではなくグラフィック・ノベル）をしているし，予備知識が無さすぎて全く理解できない人も相当多そうな気がするので，日本でも大コケするだろうなぁ．

内容は "V for Vendetta" にも若干通じるものがあるが，「ニクソン政権時代にホニャララな出来事があり，それによって米国はヴェトナム戦争に勝利，冷戦時代そのものは続いているが，米国が圧倒的に有利な立場にある．ニクソン大統領はウォーターゲート事件を力でねじ伏せ，３期目(!)に突入している」という「もしも」的なパラレルワールドが舞台．

マンションの一室で一人の男が殺されるが，その男はかつて「コメディアン」という名で活動していたヒーローだった．そのため「ロールシャッハ」が「ヒーロー狩りの可能性がある」と独自の捜査を開始し…という話だが，実はその事件の謎を解く話だけだと30分もあれば十分な内容．で，その時代の世相や国家闘争，さらにかつてのヒーローの活動などの背景を丁寧に描くために2時間を費やす，という非常にマニアックな映画なので，普通の人が見たらダレること間違いなし．

しかも，原作が書かれた80年代中ごろと違って，今じゃDoomsday Clockなんて全く話題にすら上がらないし，冷戦とかもピンと来ないもんなぁ．

…けど，オレはかなり面白かった．

なお，Dr. マンハッタン（青く光ってる人）のCGがどうなるのかも興味があったのだが，さすがに日本向けに加工されてた．