Milk

ミルク

冒頭でショーン・ペン演じるハーヴェイ・ミルクが,地下鉄の階段ですれ違った若者(ジェームズ・フランコ)をナンパするのだが,そこでいきなりブチューーーーーッというキスが始まり,「…え,いきなりですか?」と,かなり引いた.まぁ最初にそういうシーンを入れることで抵抗を無くさせる目的なんだろうし,実際,その後で出てくるソレ系のシーンでは,もはや気にする/しないとかいう感覚ではなかったが…いやー,役者も大変だね….

今の米国でも社会的弱者に対する差別が無いわけじゃないが,少なくとも公式には「(もし個人の本音が別だとしても)差別は許されない」というコンセンサスなわけで,その平等の精神こそが米国のアイデンティティの1つということになっている.しかし,本作の舞台はたかだか30年程度昔なわけで,オレが子供の頃に植えつけられた「米国=自由と平等の国」というイメージって完全に嘘っぱちだったんだよなぁ.

#しかし自分が既に生まれてた頃の話が伝記となっちゃうあたり,歳を取ったなーとか思ってしまう.イマドキの若者は「西ドイツ」「東ドイツ」とか「ソ連」とか言っても教科書でしか知らないんだろうなぁ.