Anvil! The Story of Anvil

アンヴィル!夢を諦めきれない男たち

昔のHM/HRのムーブメントを知っている人間でも,Anvilを知ってる人は少ないだろう*1.オレも80年代に新宿や渋谷のHM/HR専門の輸入レコード屋で売られているのを見たのは覚えているが,別にファンじゃないし,聞いたことは無かった.

もう50代になった爺さん達が,結成以来30年間も休まずバンド活動を続け,生活のためにケータリング会社で働き,自分達で機材を運びながら全く金にならないヨーロッパツアーを敢行し,次のアルバムについて語り,音楽で成功する夢を語り,人生について語る姿はマジで泣けた.

…しかし,普通に考えて,こりゃ売れないだろうなぁ.カナダのEMIに「アルバムを売ってくれ」と自主制作したCDを持ち込むものの,1曲聴いただけでアッサリと「時代に合っていない」と断られていた.オレもそう思う.残念ながら HM というジャンル自体が完全に古いものになってしまった.ニッチな市場でやっていくにしても,おそらく Thrash 系とかにマイナーチェンジしないと無理だろう.

本作の最後にはLoudpark06に出演した場面が出てくるが,こうやって見ると,つくづく日本の音楽シーンの特異性を感じる.昔から「日本人はHM好き」と言われていたし,ジャーマンメタルなんかも「日本が最大の市場」という噂があったが,今でも日本人は HM が好きなんだねぇ…

*1:実際,オレの担当をしている美容師はオレと同世代で,80'sなHM/HR大好きだが,Anvilは名前すら知らなかった