Inglourious Basters

イングロリアス・バスターズ

ブラピ主演でタランティーノ監督の最大ヒット作となった本作,一緒に行った友人(←昔からタランティーノ映画が好きだった)は「あり得ねぇ」「オフザケが過ぎる」と怒っていた.オレは十分に面白いと思ったが,まぁこのあたりはタランティーノ映画に何を期待するかによるだろう.

タランティーノお得意の「ギリギリの緊張感の中でのバカ話→急転直下でシャレにならない事態に」みたいな展開も楽しめるし,無駄に残虐すぎで逆に笑えるシーンも満載だ.英語,フランス語,ドイツ語が入り乱れる展開も,それら多言語の存在そのものをシナリオに上手く取り込んでいるし,かなりの出来栄えだと思う.

で,問題はラスト.おそらく友人が怒った最大の原因はこれだと思うし,俺も「それは有りなのか?」と思わなくもないが,逆に,あれこそがタランティーノの壮大な狙いだろう.ある意味で誰も考えもしなかったような,映画のタブーを犯した快作だと思う.明らかに,このオチは1回しか使えない禁断の技だが,つくづく凄いことをしてくれたもんだと思う.