書き忘れてた"The Island"

日本でもけっこう悪評で、しかも全米で大コケした "The Island" をこの前見た。あと数日で終わるくらいの時期で、しかもあんなに評判悪いくせに、意外と客が入っててビックリした。

感想は...まぁ、言われてるほど悪くはないと思う。ただ、「主人公がクローンで...」っていう話の背景が明かされてしまっているので、見ていて意外な展開は *一切* 無い。全てがベタベタな展開で、完全予定調和な世界だった。そういう意味で「これはどーなのよ?」という気がしないでもない。あと、映像的にも、それなりにイケてたと思うが、どうも "i, Robot" とかなりカブってた気がする。まぁ、この辺りもデザインの流行に乗っかるとカブるのは避けられないんだろう。でも、ホントに映画としてはそんなに悪くないと思う。じゃ、なんで評判クソミソなのかというと、おそらく公開前にネタバレしすぎな配給会社の戦略ミスだと思う。

...っつーか、なんで日本の配給会社って公開前に重要なネタをバラしちゃうのか、ホントに不思議だ。アメリカに住んでた時は(映画番組も定期的には見てないし、雑誌も読んでないってのもあるけど)どの映画も新鮮な気持ちで見れた。"The Matrix" だってTrailer見て「Matrixって何?」「この人達は、何でこんな超絶カンフーなの?」って思って見に行った。だって、Trailerはどのバージョンでも"What is the matrix?"しか言ってない。だからこそ見た時には「ぅぉぉぉぉ」と思えたわけだ。

ちなみに、俺は"The Matrix"を見た直後、日本の友人に「すげー映画があるぞ!」って教えたのだが、「どんな映画?」って聞かれたときに「ええと...とりあえずSFカンフーだ!ちゃんと超絶なアクションの論理的説明もあるし、ストーリー的にもSFとして楽しめるし、とにかく凄いから!余計な事前情報は無しで見た方が楽しめるぞ」と、ちゃんと重要な点は隠して説明した。それから半年ちょっとして帰国したら(日本公開のちょっと前)、なぜか雑誌でもTVでも「我々のいる世界は現実ではない」とか「救世主が」とか、ストーリーをモロに言ってる....ぉぃ!!!そこまで話して「どうなるのか、楽しみですね!」って言われても、もうその先の話なんて何も無いじゃん!!前述の友人にも「ついつい記事を読んでしまったんだが、Matrixって仮想世界なんだろ?で、そこから先の展開は?」と聞かれ、「...いや、そこのオチを知ってしまったら、ストーリー的には終了なんだが...」とガックリしたことを今でも鮮明に覚えてる。

ホント、日本の大手配給会社って映画の楽しみをわかってないよね。