その男,ヴァンダム

"JCVD"というモロな原題の映画 "その男,ヴァンダム”.(この邦題も良いセンスだ)

落ち目になって,大作映画どころかDVDスルーなB級作品にすら出られないジャン=クロード・ヴァン・ダム だが,故郷のブリュッセルでは未だに英雄扱い.現金が必要になって街角の郵便局に金をおろしに行ったところ,たまたま強盗団と遭遇し,なぜか犯人に間違えられ…という展開の(当然)フィクションのストーリー.

作中のヴァンダムの窮状が妙にリアルなのが笑えるというか悲しいというか… 冒頭のアクション(長回しのシーンを撮影するが,途中から体力が尽きて,明らかにバテたキレの無いアクションを延々と続ける)も,本作のためのギャグだろうとは思うが,ちょっと「マジかも」と思わせるものがある.

最後は予想を完全に裏切る展開になるが,これも予定調和のハリウッド映画に対する皮肉としか思えず,ニヤリとさせられる.当時のアクション映画を見て大人になった人は必見かも.